日本鬼子の母 中国帰省中の話⑤

日中合成家族15
 

中国では最近、テレビドラマ全般に対して取り
扱う題材(テーマ)を厳しく管理し始めました。
ただ、題材が 「抗日ドラマ」ならば簡単に許可が
おりるので 制作者もこぞって抗日ドラマを制作、
そのためドラマの質も笑ってしまうぐらい低く、
時代考証もめちゃくちゃです。 

例えば劇中では役者が『さあ、今後8年間に及ぶ
抗日戦争が始まったぞ。皆さん共に頑張ろう!』
と仲間に呼びかけるシーンが。戦争が始まった
時点なのに終結の時期を知っているなんて彼は
超能力者なのでしょうか?と。
また別のドラマでは『私の祖父は僅か9歳の
若さで日本軍に殺されました』と。だったら
あなたは生まれてこれなかったでしょう?と。 
ほかにも解放軍が拳銃で日本軍の飛行機を撃墜
したり、 800里も離れている場所から日本兵の
脚だけを撃つなど、物理的・道理的・歴史的な
ことを無視してとりあえず「日本軍がどれだけ
残忍で非道だったか、解放軍がいかに勇敢で
人民を援けたか」ということだけを描こうと
夢中になっています。

私の母方の祖父は当時、国民党軍の軍人として
実際に日本軍と交戦した経歴がありました。
しかし、文化大革命や様々な運動を経験した
彼は戦争のことを言わなくなりました。
(※ちなみに私の父は共産党でしたので、
たまに戦争のことについて2人の意見が
衝突している状況を見たことがあります)

私が覚えているひとつに、私が小学6年生の
時に愛国教育の一環で教わった唱歌を歌って
いたときのことがあります。その歌詞は
「日本鬼子」の非行を描写した内容になって
いました。

祖父は「戦争は残忍なものです。さっきまで
喋っていた仲間が次の瞬間 自分の目の前から
居なくなる。日本軍も普通の人間で、決して
殺人鬼ではない。少なくとも私が見た日本軍は
規律正しく、自由勝手に行動することはなく、
普通の村人を残忍に殺すことなどもなかった。
もしそうでなかったら負傷して休養していた
私が今ここで生きているわけがない。だから
その歌はもう歌わないで」と言いました。

戦争によって命が失われ、家族を失い、故郷
を失う人がたくさんいる。戦争は良いものでは
ありません。日中戦争の歴史を考えるとき、
あの当時の状況、両国の立場の違い、何が
正しくて何が間違っていたかなどは現代の私が
簡単に断じることはできません。

けれど、いまの中国の「愛国教育ドラマ」は
ねじ曲がった事柄を歴史的事実と称して持ち
出してきて存分に活用しているなど、行き
過ぎたものを感じています。

愛する息子二人は半分日本人、愛する夫は
丸ごと日本人ですから「日本鬼子」と呼ばれる
のは心苦しいです。 

“日本鬼子の母 中国帰省中の話⑤” への2件の返信

  1. まささんに返信
    読んでいただきありがとうございます!
    うちの旦那はけっこうな歳のわりに少年っぽいところもあって面白いです。
    ちょうど私も年下のわりに(日中の経済格差などの影響からか)「旦那と同じか少し上の世代の人」という古い人の感性なので、国は違うのに意外と話が合うという珍現象になっています。
    まささんのご友人もそうですけど、民間レベルから国全体としてもお互いをよく知り、尊重し合って仲良くできたらいいな~と思っています。

  2. はじめまして
    カルチャーギャップだとか、旦那さんとのやり取り
    めめ子さんの日常が面白くて、最初から読み進めてしまいました。
    旦那さんと暮らしていたらネタに困りそうになさそうですね。
    さて、今回の記事の反日にはこういう裏があったんですね。
    日本に来ている中国人留学生と接する機会があったんですが、彼らは日本のアニメを
    見て育って来てアニメの話で馬が合ったりします。
    国同士がいがみ合ったりしても、民間レベルで仲良くしていきたいものですね。

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